第14章 心機一転とお友達…?
『それでなんの御用でしょうかオールマイト先生?』
言は緑谷と廊下を歩きながら手を頬に当ててオールマイトに質問をする。そして何故かオールマイトの顔には尋常でないほど汗が垂れていた。
「君たちに指名がきている!」
オールマイトのその言葉を聞いて緑谷は指名が来ていたことに目をきらきらとさせながら顔を綻ばせる。
「え!?え!?本当ですか!?」
『よかったね緑谷くん!』
言はそんなあからさまに喜ぶ緑谷の顔を見て自分の事のように嬉しそうにする。
「その方の名はグラントリノ。かつて雄英で1年間だけ教師をしていた…私の担任だった方だ」
『オールマイト先生の担任…!』
「ワン・フォー・オールの件もご存知だむしろその事で緑谷少年に声をかけたのだろう」
「そんな凄い方が…!!っていうか個性の件、知っている人がまだいたんですね」
オールマイトの担任だったということもあって緑谷は両手を握りしめ、感極まる。
「グラントリノは先代の盟友…とうの昔に隠居なさっていたのでカウントし忘れていたよ…私の指導不足を見かねての指名か。…あえてかつての名を出して指名をしてきたということは…怖ぇ怖ぇよ」
オールマイトはかつての担任だったというグラントリノの説明を始めると尋常でない程に体を震わせる。そして体の震えを止めまいと足を殴る。
「とにかく…緑谷少年を育てるのは本来私の責務なのだが…折角のご指名だ…存分にしごかれてくるくく…るといィいィィ」
オールマイトは先程とは比にならない位に体を小刻みに震わせた。そんなオールマイトが震えるほどの人物に言と緑谷もどんな人物なのだろうと息を飲む。