第14章 心機一転とお友達…?
「この時の名が!世に認知されそのままプロ名になってる人多いからね!!」
声の正体はミッドナイト。彼女はポージングをバッチリと決めて、ヒールを鳴らしながら教室に入ってくる。
「「ミッドナイト!」」
「まァそういうことだ、その辺のセンスをミッドナイトさんに査定してもらう。将来、自分がどうなるのか名を付けることでイメージが固まりそこに近付いてく。それが「名は体を表す」ってことだ”オールマイト”とかな」
(通形先輩の言ってた通りだ…)
そして15分が経過。ボードにヒーロー名を書き、出来た人から教卓の前で発表する形式となった。最初は大喜利感のある発表となったが蛙吹のお手本のようなネーミング発表で空気は変わり皆、次々と素晴らしいヒーロー名を掲げていた。
(皆、凄くいい名前…)
言は次々と発表されていくクラス皆のヒーロー名に目を奪われていた。そんな彼女のボードは真っ白だった。
「思ったよりずっとスムーズ!残っているのは再考の爆豪くんと…飯田くん、言さん、そして緑谷くんね」
(あと少しで書き終わりそうなんです…!)
言はミッドナイトに名前を呼ばれると思い出した様にボードに名前を書き始める。すると飯田が教卓の前に立ち、ヒーロー名が書かれたボードを皆に向けて掲げる。そこには【天哉】と書かれていた。
「あらあなたも名前ね」
ミッドナイトにそう言われると飯田は少し罰が悪そうに顔を下に向けた。
(何か無理してる…?)
そんな飯田の様子を見て違和感を感じた言は眉を下げペンの動きを止めた。
「僕も、出来ました!」
そんな時、緑谷もヒーロー名が決まったのか自分の席から立って教壇に上がりボードを見せると、そこには意外な名前が書かれていた。
「み、緑谷?!」
「いいのか…それで??」
「一生呼ばれ続けるかもしんねぇんだぜ?」
緑谷のボードに書かれたヒーロー名にクラスは騒然とする。
「うん、今まで好きじゃなかったけどある人に”意味”を変えられて…僕にはけっこうな衝撃で…嬉しかったんだ【デク】これが僕のヒーロー名です」
緑谷はそう言いながら少し誇らしげな表情を浮かべていた。