第14章 心機一転とお友達…?
「だーー白黒ついた!」
「見る目ないよねプロ」
黒板に表示された指名件数のグラフを見て自身の席でふんぞり返る上鳴と指名が来なかった事に怒る青山。
「1位と2位逆転してんじゃん」
「表彰台で拘束されてた奴とかビビるもんな…」
「ビビってんじゃねーよプロが!!!」
体育祭で1位だったはずの爆豪よりも指名件数は轟の方が上だった為そんな考察をする切島と瀬呂。そして彼らの話を聞いて怒鳴り散らす爆豪。
「さすがですわ轟さん…」
「ほとんど親の話題ありきだろ…」
少し浮かない顔をしながら轟に視線を向ける百と指名件数が一位なのにあまりの嬉しそうな顔をしていない轟。
『せ…千件越え…?!』
黒板に映された想像を超える指名件数に言は開いた口が塞がらなくなり片手で口を押さえる。
「わあああ!」
「うむ」
指名があったことに声を上げる麗日。あまりの喜びに前の席に座っている飯田の肩を掴み、大きく揺らす。そして首を前後させながら頷く飯田。
「無いな!怖かったんだやっぱ」
「んん……」
緑谷の肩を揺さぶりながら眉間に皺を寄せる峰田。そんな緑谷は納得と不満の表情を浮かべながら歯がゆく黒板を見つめていた。生徒達は皆、それぞれの思いを馳せながら体育祭を得ての指名件数の結果を受け入れた。
「これを踏まえ…指名の有無関係なくいわゆる職場体験ってのに行ってもらう」
そんな相澤の言葉に生徒達はピクリと反応する。
「おまえらは一足先に経験してしまったがプロの活動を実際に体験してより実りある訓練をしようってこった」
「それでヒーロー名か!」
「俄然楽しみになってきたァ!」
指名が無くても職場体験に参加出来るとあって指名が来なかった生徒達も期待に胸を膨らます。
「まァ仮ではあるが適当なもんは…」
「付けたら地獄を見ちゃうよ!!」
相澤の話を遮るように聞き覚えのある声がどこからともなく聞こえてくる。