第13章 綺麗なアノコ
少し時間は進んで言達は昼食を摂り終わり、今はお腹を休めていた。ちなみに先程の注文時から食べ終わるまで、言から怒涛の質問攻めが行われていた。「席は自由に座って大丈夫なの?」や「フォークやナイフで食べないの?!」など、毎回聞いてくる質問が庶民の上鳴や切島からは絶対に出てこない発想で、彼らは思い出すだけで脇腹が痛くなるようだ。そして2人はそんな痛む脇腹をおさえてドリンクを飲みながら次の予定を立てていた。
「次どこ行く?」
「そうだなー、ゲームセンターにでも行く?」
『ゲームセンター?は何するところなの?』
「うーん、説明するとなると難しいな」
「とりま行ってみたら分かるって!」
そしてファストフード店を後にして暫く歩き、ゲームセンターに到着する。
『わっ、わっ、わー!』
ゲームセンターというものを間近で体感した言は今日見てきた中で1番瞳を輝かせていた。キョロキョロと辺りを見回す様は小さな子供のようだった。
『ねっ、あれ!あのクレーンみたいなのが中に入ってる台は何?!』
初めて見る機械を指さして2人に質問する言。機械の中には人形がぎっしりと詰め込まれており、機械の外側はキラキラとライトで照らされていた。
「あれはUFOキャッチャーって言うんだぜ!」
『UFOキャッチャー…これはどうやって遊ぶの?』
「なら俺が手本を見せてやるぜ!まず100円を台に入れて、この台に付いてるレバーを動かして取りたい物の上空に合わせる」
UFOキャッチャーという言にとって未知の機械を教えてくれる切島と手馴れた様子でUFOキャッチャーを操作していく上鳴。そんな上鳴の姿を言は期待の眼差しで見続けた。
『うんうん!』
「そしたらレバーの右のボタンを押して降下、そしたら勝手にクレーンがキャッチして又上空に上がって移動する最終的にこの穴に落ちたら景品ゲットってわけ今回は落ちたから景品ゲットな!」
UFOキャッチャーを操作した上鳴はあっと言う間に人形を獲得し、景品取り出し口から可愛らしい兎の人形を取り出して言と切島に見せつけた。