第12章 雄英体育祭決着
爆豪と言以外は誰もいない静かな通路にゴクリと言の喉が動き水を飲む音が聞こえた
(飲んだか…)
その後も数回、水を口に含んでは言と口付けを交わしながら彼女の口に水を流し込んだ。
『んっ…』
そしてペットボトルの水が半分になった時には言の体の震えなどが治まっていた。爆豪はそんな言の様子を見て胸を撫で下ろし、彼女を優しく横に抱えて保健室にへと足を向けた。
「…前にも何だか見た光景だねぇ」
保健室に到着して扉を開けると、リカバリーガールが椅子に腰かけていて言を抱える爆豪の姿を見て眉を寄せた。
「まったく、あれ程水分を取りなさいと言ったのに…起きたらお説教だね! 」
言を保健室のベットに寝かせ付けながらブツブツと怒りを口にするリカバリーガール。そんな彼女を横目に爆豪は静かに口を開いた。
「コイツには言うなよ…」
爆豪はその一言だけをリカバリーガールに伝えて保健室を後にして行った。そんな爆豪を見てリカバリーガールはやれやれとため息を吐いた。
「難儀だねぇ…」
去り際の爆豪の顔は赤く染っておりリカバリーガールは爆豪と言の間に何があったかを察してそう呟いた。