第12章 雄英体育祭決着
先程までステージに降っていた雨が晴れステージには日差しが差し込む。そして爆豪の調子がみるみると上がってくる。
「死ねぇ!!」
爆豪が個性を使い、言目掛けて獲物を狙う鷹のように飛んでくる。
『爆豪さんは言葉遣い改めた方がいいよ…!』
「遅せぇ!!」
自分に向かってきた爆豪に言が個性を使おうとするが、それよりも早く爆豪が彼女の目の前に現れて手のひらを言向ける。
「スタングレネード!!」
そして爆豪の手からは眩い光が放出される。
「くたばれ!!」
『うぁっ…!』
爆豪の閃光弾によって視力を奪われ目を瞑ると言の腹部に大きな衝撃が伝わった。攻撃された、脳がそう認識したのは数秒後の事だったあまりの衝撃に言は爆豪から攻撃を受けた腹部を抑えながら大きく噎せてその場に膝をつく。
(あ、負ける…)
その敗北の2文字が頭をよぎった瞬間──────
「言!」
「言さん!」
「言ちゃん!」
観客席から言の名前を呼ぶ百・緑谷・麗日の大きな声が聞こえてくる。そして───────
「「「負けるな!!!」」」
心の底から色々な熱い想いが込み上げてくる。言は唇を強くかみ締めて今にも溢れ出しそうな涙を抑えるように一瞬強くまぶたを閉じた。
───大切な…大切な人たちからのエール。今!ここで応えなくてどうする!
『そうだよ…負けれない…だってまだ…まだっ私は何も成してない!!』
───更に向こうへ!Plus ultra!!
普通ならばその場に蹲り、立つことすら困難な状態であろう。それでも言は自分を応援してくれた百・緑谷・麗日に応えたい。その一心で重い体を持ちあげ、立ち上がった。
「見上げた根性だなァ!!!」
爆豪はそんな言に笑みを零しつつ息をつく間もなく言に向かって個性で飛び込んでいき、攻撃しようとする。