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【ヒロアカ】folklore

第12章 雄英体育祭決着



言の万能すぎる個性を目の当たりにしたクラスの観客席では1年A組の全員が驚きの表情を浮かべていた。


「凄いな言くん!個性で自然現象まで起こせるのか!あれでは弱点などないのでは!?」

「いいえ、あの子にも弱点はありますわ」

「八百万くん!」


飯田の言葉に反応したのか百が横から口を挟む。


「言の1番の弱点は口を塞がれることです」

「…確かに喋る事が出来なければ言さんは個性を使えない!」

「ええ、ただ言が易々と口を塞がれるわけもありません。もう1つ弱点があるとするなら…言霊にも制限があるという事ですかね。あの子の個性は体の水分を様々な原子に変換して物質等を出現させています。そして今のように”雨”と言った自然現象を発生させるのは、物質を出現させるよりも水分を使いますので先程のような攻撃は後、一度か二度程しか出来ないかと…」

「なるほど水分を他の原子に……」

「うわっ!デクくんめっちゃ書くやん!」

「あっ!いや、貴重な情報だからつい…」


百の話を懸命に自分のノートに書き殴る緑谷そんな彼の姿を見て麗日がぎょっとしたように目を丸くして、口の前に手を当てる。


「ですからあの子の体から水分を無くす…すなわち個性をたくさん使わせたり汗をかかせたりするなど、このような策をとるべきなのです」

「なるほど、かっちゃんがそれに気づくかによってこの試合の結果が決まるわけか。それでも個性をたくさん使わせるとなると結局は長期戦になる…元々長期戦が得意なかっちゃんとは相性が悪いっ…」

「言ちゃん…頑張れ!」


皆が言と爆豪の試合に食い入るように夢中になっている時、緑谷がふと疑問に思った事を百に質問する。


「あれ…そういえば僕達に言さんの弱点を話しちゃってもいいの?」

「…この試合で分かる。と言うのもありますが、もしもの事があった時にあの子の弱点を皆さんが知っていればいざと言う時に助けになりますからね」


緑谷の質問に少し悲しげな表情を浮かべ爆豪と奮闘する言を見つめる百。そんな百を見て何か言いたげに緑谷は1度口を開くが、これ以上聞いてはいけないと彼の本能が告げたのかキュッと口を結び言と爆豪の試合に目を向けた。




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