第12章 雄英体育祭決着
最初は切島の猛攻に中々手が出せない爆豪だったが試合中盤に差し掛かったところで今まで効いていなかった彼の攻撃が切島の体にダメージを与えていた。
「てめぇ全身ガチガチに気張り続けてんだろ。その状態で速攻しかけてちゃいずれどっか綻ぶわ」
「くっ…!!」
「死ねえ!!」
そして切島の弱点見抜いた爆豪は彼に向けて目にも止まらぬスピードで爆破を繰り返す。そして最後に大きな一撃放つと切島が後ろに倒れる。
「まァ俺と持久戦やらねぇってのもわかるけどな」
「爆豪エゲツない絨毯爆撃で3回戦進出!!これでベスト4が出揃った!!」
そして息をつく間もなく準決勝が始まる。
「お互いヒーロー家出身のエリート対決だ!飯田天哉対轟焦凍!!START!!」
『っ…試合前だって言うのにまた偏頭痛?』
突然の偏頭痛に声を漏らし頭を抱えるがその痛みに耐えながらもモニターに目を移す。轟は試合開始早々に氷結で飯田を攻撃、しかし行動を読んでいたのか飯田は個性を使い身軽に避けていく。そして轟の攻撃を避けた飯田は彼に向けてレシプロバーストを放つが惜しくも避けられてしまった。
「決める!!」
そして間髪入れずにもう一度轟を攻撃すると彼に重い一撃が入りその場に倒れる。その隙を逃すことなく飯田は急いで彼の体操服を掴みステージの外にへと向かう。しかし突然、彼の動きがガクンと止まる。よく見ると飯田の足にある排気筒が轟の個性によって詰まっていたのだ。
「いつの間に!!!!」
「蹴りん時」
轟がそう答えると飯田の体は一瞬にして凍らされ身動きが取れなくなる。
「範囲攻撃ばかり見せてたから…こういう小細工は頭から抜けてたよな」
「ぐううっ…」
「警戒はしてたんだがレシプロ避けられねぇなさすがに…」
飯田に蹴られた頭を抑えながらゆっくりと立ち上がり左手をじっと見つめる轟。まだ”左側”を使うのに迷っているようだ。
「飯田行動不能!轟、炎を見せずに決勝進出だ!」
「くっ…兄さん…」
凍ったからだを震わせながら悔しさに顔を歪ませる飯田。
『次は私の番だ……』