第9章 それぞれの覚悟
1時間の昼休憩も終わり午後の部が開始。そして選手全員がスタジアムに集まっているのだが私は目の前に広がる光景に何があったのかと唖然としてまじまじとクラスの女子を見つめる。
「最終種目発表の前に予選落ちの皆へ朗報だ!あくまで体育祭!ちゃんと全員参加のレクリエーション種目も用意してんのさ!」
『あの…』
「本場アメリカからチアリーダーも呼んで一層盛り上げ……ん?アリャ?」
私がクラスの女子に声をかけると同時に驚きのあまりマイク先生の実況も止まる。そしてその光景に相澤先生も目を細める。
「なーにやってんだ……?」
「どーしたA組?!」
『なんで皆…チアの格好してるの…??』
そう、私がスタジアムに着くと何故か私以外のクラスの女子がチアガールの服を身につけ、両手にはポンポンが握られていたのだ。
「峰田さん上鳴さん!!騙しましたわね?!」
百ちゃんから話を聞くと先程の昼休憩の時に峰田さんと上鳴さんから午後は女子全員チアの格好して応援合戦しなければいけないという嘘を吹き込まれ、それを信じてしまったらしい。しかも彼らは相澤先生の名前を出して彼女たちに嘘をついたのだからタチが悪い。ちなみに私は休憩が終わったと同時にスタジアムに来たのでチアの格好をせずに済んでいる。
「何故こうも峰田さんの策略にハマってしまうの私…」
がっくしと落ち込む百ちゃんの背中を優しくさするお茶子ちゃん。
「アホだろアイツら…」
「まァ本戦まで時間空くし張りつめててもしんどいしさ…いいんじゃない?やったろ!!」
顔を赤らめながら嘘をついた張本人の峰田さんと上鳴さんを睨み手に持っていたポンポンを勢いよく地面に叩きつける耳郎さん。そして反対に、寧ろノリノリな葉隠さん。
「透ちゃん好きね」
「さァさァ皆楽しく競えよレクリエーション!それが終われば最終種目進出チーム4チーム総勢16名からなるトーナメント形式!!1対1のガチバトルだ!!」