第8章 障害物の先の騎馬
『鉄哲さん大丈夫!!?』
「さすがね緑谷ちゃん…!」
「蛙吹さんもか!!凄いな障子くん!!」
驚くことに障子さんの背中には峰田さんだけでなく蛙吹さんも入っていた。障子さんの複製碗で覆われ、腕の隙間から顔を覗かせる蛙吹さんと峰田さんはかなりのインパクトだった。
「梅雨ちゃんと読んで」
「とりあえず今は逃げよう!」
緑谷くんのチームは騎馬のお茶子ちゃんが装着しているサポートアイテムを犠牲にしてまた上空にへと逃げて行った。
「くそっ!!!また逃げられた!」
『あの!いい案思いついたんだけどいいかな…』
「ええ、是非言ってくださいな」
そして彼らが逃げて行ったと同時に私はある策が音を立てて頭に浮かぶ。私はその策を彼らに言っていいものなのかと少し悩むが、覚悟を決めておそるおそる彼らに提案する。
『塩崎さんの個性であの障子さんチームの腕の隙間からハチマキ取れるかなって…』
私の提案に彼らが一瞬固まる。やっぱりこんな提案は駄目だったかなと1人浮かない顔をしていると、骨抜さんが口を開く。
「言さんって見た目大人しそうだけど結構物騒な事考えるよね。さっきのカタパルト然り」
『えっ…』
予想外の骨抜さんの返答に私は驚くと共にほんの少しばかりショック受ける。
「でもいい案だな。塩崎!出来るか!!?」
「ええ。できますとも」