第8章 障害物の先の騎馬
攻撃が防がれた後、もう一度緑谷くんのハチマキを狙うが常闇さんのダークシャドウの防御が厄介すぎてなかなか間合いに入ることができない。
「くっそぉ!!うざってぇ!」
「私の個性で回り込んで攻撃しますか?!」
「いや多分それも防がれる」
「さぁ〜〜まだ2分も経ってねぇが早くも混戦混戦!各所でハチマキの奪い合い!!1000万を狙わずに2~4位狙いってのも悪くねぇ!!」
私たちが緑谷くんチームに防戦一方していると背中を複製碗で覆った障子さんが現れる。ただ見るからに障子さんは1人で駆けているようで騎手がどこにも見当たらなかった。
「アハハハ!奪い合い…?違うぜこれは…一方的な略奪よお!」
ところが聞こえて来たのは向かってくる障子さんの声ではなく峰田さんの怪しげな声。
「障子くん!!アレ?!1人?!騎馬戦だよ!?」
「一旦距離を取れ!とにかく複数相手に立ち止まってはいかん!」
「何!?取れへん!」
サポート科の人が作成したブーツを履いているお茶子ちゃんの足には峰田さんの個性がくっついていた。お茶子ちゃんは何度も足を上下に動かすが取れる気配は一向にない。
「峰田くんの!!一体どこから…」
「ここからだよ緑谷ぁ…」
「なァァ!?それアリィ!!?」
障子さんの背中から顔を覗かせる峰田さん新手の騎馬に緑谷くんは驚愕する。ミッドナイト先生が言うにはアリらしい。
「わっ!!?」
「わ!!!?」
障子さんの複製碗で覆われた背中の中からは峰田さんの個性ではなく、長い舌のようなものが勢いよく飛び出してくる。その長い舌は緑谷くんだけでなく私たちのチームの騎手鉄哲さんの顔の横スレスレを通って行った。