第8章 障害物の先の騎馬
『うーん…どうしよう』
チーム決めの交渉タイムが始まったものの誰と組むかが全く決まらず悩んでいるその時、緑谷くんから声をかけられる。
「あの!言さん!!」
『どうしたの?』
「僕とチームを組んで欲しいんだ!」
真剣な眼差しで私を見つめる彼を見て私は愛想笑いを向ける。
『え、あーでも私15Pで少ないしチームに入れても得ないよ?』
「それなら僕の1000万PがあるからPの心配はないよ!」
『…いや、私入れるよりもさ!百ちゃんとか入れた方がいいんじゃない?』
「八百万さんは轟くんたちとすぐチームを組んだから…」
私がいくら自分をチームに入れても意味がないという事を伝えても緑谷くんは自分から引き下がる気は無いようだった。私は1度深い息を吐き、首の後ろに手を当てて俯く。
『あー………ごめん、緑谷くん流石に私1000万Pには賭けられないや…本当に、ごめん…』
「いや!謝らなくていいよ!そうだよね、普通1000万Pに賭けられないよね…僕の方こそ無理言ってごめんね!!」
申し訳なさそうに眉を寄せて謝る私を見て緑谷くんは残念そうな表情を浮かべて他の人をチームに誘うべく去っていった。
『私こそ、ごめんね…』
寂しそうな緑谷くんの背中に心が傷む。でもこればっかりは許してね緑谷くん。さっきのチームが組めない理由は全くの嘘。だって、緑谷くんとチーム組んだら本当に1000万P維持し続けて勝ちそうなんだもん。それはこっちとしてはさ、まずいんだよね…だって
『私、勝つつもりないもの』
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「15分経ったわそれじゃあ、いよいよ始めるわよ」
「さぁ起きろイレイザー!15分のチーム決め兼作戦タイムを経てフィールドに12組の騎馬が並び立った!!」
「……なかなか面白ぇ組が揃ったな」