第8章 障害物の先の騎馬
「さーて第2種目よ!!私はもう知ってるけど〜…何かしら!?言ってるそばから、コレよ!」
障害物競走が発表された時と同じようにドラムロールの音が鳴り響き画面には「騎馬戦」と表示される。
「騎馬戦…!」
「騎馬戦…!」
第2種目の競技が決定すると上鳴さんはあからさまに嫌そうな顔をして、ダメなヤツだと呟いた。そして峰田さんも上鳴さんと同じセリフを口にするが彼の表情から読み取るに嫌がっている素振りはなく寧ろウェルカム。あわよくば合法的に女子に触れるなどと考えているような表情だった。
「個人競技じゃないけど どうやるのかしら」
蛙吹さんは人指し指を顎にあて首を傾げる。
「参加者は2人〜4人のチームを自由に組んで騎馬を作ってもらうわ!基本は普通の騎馬戦と同じルールだけど1つ違うのが…先程の結果にしたがい各自にポイントが振りあてられること!」
「入試みてえなポイント稼ぎ方式かわかりやすいぜ」
『じゃあ組み合わせによって騎馬のポイントが変わるんだ』
ミッドナイト先生の説明よりも先にスラスラと今回の種目の説明を口々にする私たちを見て隣にいた芦戸さんが「あー」と納得したように声をもらす。
「あんたら私が喋ってんのにすぐ言うね!ええそうよ、そして与えられるPは下から5ずつ!43位が5P、42位が10P…といった具合よそして…1位に与えられるPは1000万!!」
そんなミッドナイト先生の”1000万”と言う言葉を聞き逃さなかった選手達は一斉に、先程の障害物競走で1位を獲得した緑谷くんに鋭い視線を向ける。
「1000万…?」
緑谷くんは自分に集まる視線に耐え切れず体中から冷や汗をぶわっと流す。
これがトップに立つ者の重圧。学生の体育祭でここまで徹底的に上の世界を味合わせるのか…
「上位の奴ほど狙われちゃう───…下克上サバイバルよ!!!」