第8章 障害物の先の騎馬
緑谷くんが1位でゴールしたというマイク先生のアナウンスを聞いて何故だか鼻の奥がジンっと熱くなる。
『緑谷くん、まさか本当に1位取っちゃうなんて』
この間オールマイト先生に言われていた”君が来た!”って事をしっかりと世に知らしめていた。あの時の体育祭に乗り気じゃなくて、自分に自信が無い緑谷くんはもういない。成長しているんだね。
『常にトップを狙う者と、そう出ない者の差かぁ…』
私はまだ先の見えないゴールを目指しながら1人呟いていた。まるでこの先の見えないゴールが今の自分の人生の様だな、と悲観的な事を考えながら。
「さあ続々とゴールインだ!順位等は後でまとめるからとりあえずゴールした奴らはお疲れ!!」
その後、私は息を切らすことなくスタジアムにへと姿を現しゴールする。私の前には葉隠さん、そして後ろには先ほどのサポート科の人がいた。
レースが終わり順位の集計が出来たのかミッドナイト先生が号令台に立ち、その後ろにある巨大なモニターに障害物競走の結果が表示される。
「ようやく終了ねそれじゃあ結果をご覧なさい!」
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1位[緑谷出久]
2位[轟焦凍]
3位[爆豪勝己]
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41位[八百万言]
42位[発目明]
43位[青山優雅]
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「予選通過は上位43名!残念ながら落ちちゃった人も安心しなさい!まだ見せ場は用意されてるわ!!そして次からいよいよ本戦よ!ここからは取材陣も白熱してくるよ!キバリなさい!!!」
私の結果は41位。予選通過ギリギリの順位だった。そしてふと背後から視線を感じ後ろを振り返るが誰も私の事を見ていなかった…
(…考えすぎかな)