第8章 障害物の先の騎馬
障害物競走もいよいよ終盤。先頭の轟くんと爆豪さんが一足抜けていて、その他の人達はダンゴ状態で争っていた。またこの障害物競走で上位何名が次の種目に通過できるかがまだ公表されていないので順位が危うそうな人達は焦りを見せていた。
「早くも最終関門!!かくしてその実態は…一面地雷原!怒りのアフガンだ!!地雷の位置はよく見りゃわかる仕様になってんぞ目と脚酷使しろ!ちなみに地雷!威力は大したことねえが音と見た目は派手だから失禁必至だぜ!」
「人によるだろ」
マイク先生のステージの説明に相澤先生は冷静なツッコミを入れる。
「っと、ここで先頭がかわったー!喜べマスメディア!お前ら好みの展開だ!後続もスパートかけてきた!だが引っ張り合いながらも…先頭2人がリードかあ!?」
『うわ、結構遠い』
先頭の爆豪さんと轟くんが最終関門を抜けようとしている時、私は最終関門のスタート地点にいた。また緑谷くんも私と同着で最終関門に到着。そして緑谷くんはロボの残骸の欠片なのか彼の体と同じ大きさ位はある鉄板を手にしていて、ブツブツと呟きながらその鉄板で地面を掘り始めた。
(緑谷くん、なんで地面なんか掘って……え!?)
「借りるぞかっちゃん!」
私は緑谷くんの行動に目をぱちくりと丸くさせる。緑谷くんは地面に穴を掘りその穴に幾つもの地雷を敷き詰めていた。そしてその敷き詰めた地雷の上に緑谷くんは横に抱えていた鉄板を自分の体の前に抱え直して勢いよく飛び乗った。地雷に衝撃が伝わったと同時に大きな音を立てて大爆発が起きる。そして爆発の勢いで彼は大きく前にへと吹き飛ばされた。
「後方で大爆発!!?何だあの威力!?偶然か故意か、A組緑谷爆風で猛追!!?…っつーか!抜いたあああああー!!!」
『あははは、凄いなぁ!緑谷くん!!』
私は緑谷くんの機転のききすぎた行動に思わず笑いが零れる。緑谷くんが爆風で爆豪さんと轟くんを抜いたあと、2人も緑谷くんを先に行かせまいと抜き返そうとしたが緑谷くんは鉄板を地雷に打ち付け、もう一度大きな音を爆風を起こし2人の先を行く。
そして────────
「さァさァ序盤の展開から誰が予想出来た!今1番にスタジアムに還ってきたその男ー…緑谷出久の存在を!!」