第8章 障害物の先の騎馬
私たちは第1関門を突破して第2関門の前に到着する。
「落ちればアウト!!それが嫌なら這いずりな!!ザ・フォーーーーール!!!」
目の前には大きな谷の中から聳え立つ複数の岩に綱が繋がれたステージが広がっていた。私たちはその谷の深さに言葉を失う。恐る恐る谷の底を除くとただ真っ暗な景色が見えるだけ、高所恐怖症の人ならば絶対にお断りしたいステージだ。
「大げさな綱渡りね」
しかし蛙吹さんはそんな高所でも恐れることなく身軽に綱を渡り進んでいく。
『蛙吹さん度胸あるなぁ…』
私が蛙吹さんの臆することの無い姿に感心しているとフフフフと怪しげな笑い声が後ろから聞こえてくる。
「来たよ来ました、アピールチャンス!」
怪しげな笑い声を出していたのはサポート科の女の子。彼女は目にゴーグルを装着しており、他にも至る所に見たことも無いアイテムが身につけられていた。
ヒーロー科はアイテムの持ち込みが不可なのだが授業内容的な公平を期すためにサポート科は自身の制作したアイテムやコスチュームに限り装着を許可しているらしい。
「さあ見てできるだけデカい企業ー!!」
サポート科の人が肩に備え付けられていたボタンを押すと向かい側の岩にロープを張り、谷の中に一切の躊躇なく飛び込んでいった。
「私のドッ可愛いぃ…ベイビーを!!」
そして先程向かい側の岩に張ったロープを巻き戻し軽々と谷を飛び越えていった。
「すごい!負けない!」
「くやしー!悪平等だ!」
それに続いて隣でそんな彼女の姿を見ていたお茶子ちゃんと芦戸さんも負けじと先に進む。