第8章 障害物の先の騎馬
「お、おい誰か下敷きになったぞ!!」
「死んだんじゃねえか!?死ぬのかこの体育祭!!?」
ロボが倒壊した時その下に誰か居たのか周りの選手たちが慌ただし様子で崩れたロボットの残骸を見つめる。するとロボットの残骸の中で何かを壊しながら這い上がろうとする音が聞こえてくる。
「死ぬかぁー!!」
音が聞こえてきた場所から勢いよく切島さんが個性を使って飛び出す。
「1-A切島、潰されてたー!!!」
「轟のヤロウ!ワザと倒れるタイミングで!俺じゃなかったら死んでたぞ!!」
「A組のヤロウは本当に嫌な奴ばかりだな…!俺じゃなかったら死んでたぞ!!」
そして切島さんが残骸の中から出てくるのと同じタイミングでB組の人がほぼ切島さんと同じセリフを吐きながら出てくる。
「B組の奴!!」
「B組の鉄哲も潰されてたー!!ウケる!!」
彼の個性はスティールらしく切島さんと似たような個性だった。それに個性だけでなく中身や見た目も所々似ている節があるみたい。
「個性ダダ被りかよ!!ただでさえ地味なのに!!」
切島さんは涙を流しながらも先に進んで行った。そして真っ直ぐ先に進む彼らとは裏腹に個性を使いロボの上を飛んで通過しようとする爆豪さん。それに便乗するように瀬呂さんや常闇さんもすいすいとロボの上を飛び越えていく。
「1-A爆豪!下がダメなら頭上かよー!クレバー!」
「一足先行く連中はA組が多いなやっぱ!!」
この間のUSJで恐怖と共に学んだこと、それは立ち止まっている暇など無いということ。プロの世界では一瞬でも判断を遅らせればそれが致命的なミスになる。
そして悪意はそれを待ってはくれない。
プロの世界の恐ろしさそして厳しさを誰よりも早く味わった私たちは各々が味わった経験を糧とし立ち向かっていく。