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はごろも折々、蝉時雨 ( 鬼滅*風夢 )

第25章 番外編 ①:*・゚* 或る風のしらべ *・゚・。*:



「···不思議な味」

「!」



 唇に跳ねたそれを少量舌にのせただけでもぴりりと痺れるような苦味が広がる。

 真一文字に口を結んだ星乃を見下ろし、実弥は目を丸くした。



「──っん」



 胸もとに吐き出された種はいつの間にか実弥の手により素早く処理され、時を置かずに星乃は唇を拐われていた。

 重なった瞬間纏いついた実弥の舌は、さきほどの苦味をすべて奪い去ってゆくような強引さと優しさを交えて至るところを行き来した。

 結びにひとつ、啄むような軽い口づけを乗せた実弥の振る舞いには依然として飾らない狡猾さがある。

 実弥のものを受け入れる準備の整っていた蜜壷は、それと同時に下肢の内側を締め上げただけで小さく達した。



「···味わうモンじゃねぇぞ」

「···そうみたい」



 実弥を見つめくすりと笑むと、つられて相好を崩した実弥が星乃の頭部をくしゃりと撫でた。








 上体を起こして対面し、実弥の上に沈み込む。すると、今度は実弥がすっと背面に寝転んだ。

 星乃は一瞬掌をさ迷わせた。



「っ、実弥···?」

「星乃、そのまま好きに動いてみろ」

「ぇ、えぁ、そんな、ッあぁ」



 できない。
 そう言う前に実弥が下からずんと子宮を突き上げてくる。眼前に光の粒が弾け飛び、視界の端が揺れて霞んだ。



「ぁ、実弥お願い···っ、そんな深く、しないで」

「ならてめぇでどうにかしてみるしかねぇなァ······このままじゃあすぐイッちまうだろォ」

「ぅ、あ」



 なけなしの力で下肢を整え体幹に集中し、どうしたらいいのかよくわからないままなんとなくくねくねと腰を前後に動かしてみる。

 実弥が、「フ、」と小さな笑い声を漏らしたのが聞こえた。



「や、実弥···っ、今、笑ったでしょう」

「ァー···悪ィ。別におちょくったわけじゃァねェぜ。逐一可愛げのある奴だなァと思って和んじまっただけだ」



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