第25章 番外編 ①:*・゚* 或る風のしらべ *・゚・。*:
まだ直に触れてもねぇのに、相変わらずの具合だなァ。
すぐにでも自身を埋めたい煩悩を抑え込み、実弥は背面に倒れかけた星乃の腕を自らの首に回した。
それだけでは頼りなく、実弥も星乃の背を支えながら肉壁に一本の指を埋める。
星乃の蜜壷はそれをするりと飲み込んだ。そんな感覚にも近いものだった。
「ひ、ぁ、だめ」
「駄目じゃねぇよなァ···? お前の"そそ"がァ···俺の指にぱっくり喰らいついてきて飲み込んじまったんだからよォ」
「っ~~っ、」
「ハ···、こんな細ェ一本に、きゅうきゅう吸いついてきやがる」
「ぁ、ぁ、まだ、動かさないで······ぇ」
星乃の哀願を聞き流し、数回、撫で回すようにナカを愛撫しただけで肉壁がうねるように収縮する。
臀部が妄りに上下した。これは、星乃が達する間際の仕草だ。
(···こりゃあ、一本でイケんなァ)
待機していた二本目の指を折り畳み、トントン、トン。埋めた指先で上部のザラリとした場所を優しく刺激してやると、
「──っ、や…っぁああ」
星乃の身体は瞬く間に頂を貫いた。
下肢の痙攣に比例して、熱い肉の衣が粘膜の熱度を上げてゆく。
「···星乃」
たまらず名前が零れでる。なんでもいいから何か言葉を発したかった。でないと思考が巡らなくなる気がした。
我慢できねェ···ブチ込みてェ。
思う反面、星乃の愛らしい姿をいつまでても愛でていたい。このままなにもせずにただ抱きしめて眠ってしまいたい。
欲情と慈しみが混在する。
そんな葛藤さえ最後は官能の餌になる。