第19章 :*・゚* 星月夜に果実は溺れ*・゚・。*:
絡めた舌を解放し、星乃の目尻に溜まった涙を舌尖で掬い上げると、ほどよい塩気が実弥の口内に広がった。
「ハ···っ、星乃···っ、言っておくが、テメェで慰めてんのは、お前だけじゃ、ねぇからなァ···」
パン···ッ。
陰茎を最奥へと沈めれば、悲鳴に似た小さな嬌声が星乃から放たれる。
「知らねェだろう······長年俺がァ、頭ンなかで、数えきれねぇぐれェなんべんもなんべんも、お前を犯してきたことなんざ······ッ"」
「ン、んん···っ」
「ッ、昂らねぇんだお前じゃねェと···っ、他の女なんざ、興味ねェ···ッ、星乃じゃねェと···っ"、慰めきれねぇんだよ···ッ"」
「ゃ、さねみ、それ以上言わな、待っ──っぁああ…ッ」
星乃は達した。
考えたこともなかった。長いこと、実弥が想いを寄せてくれていたのにも気づかなかったのだ。彼が自慰をする姿など、想像したことすらない。
清二のことを思うと、今でも嫌悪が先立つ。
星乃自身がその行為を経たことにより、抑えきれない衝動への理解に心を寄せられるまでには至っても、やはり受け入れ難いことには違いない。
清二が愛していたのはこの自分ではないからだ。
しかし今はどうだろう。実弥の言葉に呆気なく昇りつめてしまったこの身体のなんと浅ましいことか。
実弥の想いに。
実弥の昂りに。
紛れもない悦びを得た。
実弥が己を慰めている事実に。対象がこの自分であることに。他の女性では不可能だと言う、実弥のあまりに激しく真っ直ぐな思いの丈に。
このひとに深く愛されている。
このひとを深く愛している。
実弥を、───愛している。
「おいおい、こりゃあまた盛大にイッちまったなァ···っ、お前、その唐突に達すんの癖になってきてねぇかァ···っ?」
「実弥···っ、激、しの、だめ···っ、また、きちゃ···っ」
「休まずイケるだろう···? きっちり仕込んでやったもんなァ······?」