第19章 :*・゚* 星月夜に果実は溺れ*・゚・。*:
控えめな口づけを繰り返しながら、実弥は赤子の頭に触れるような想いで星乃の柔らかな髪をすいた。
口内の蜜を満遍なく舐めとるような、執拗で濃厚な口づけに変えてゆく。そのうちに、星乃も徐々に実弥に懸命に応えはじめる。
行為を先導するのは総じて実弥だ。しかし星乃が腰紐に手を掛けたことには実弥も思いがけず驚いていた。これは稀な光景である。
恥じらう星乃の所作や仕草は愛らしい。その一方で、心のまま素直に欲する星乃にも、存外大きな憘びと昂りを覚えるものだ。
繰り返し角度を転じ、互いの唾液を交換しながら、実弥は丸みを帯びた星乃の臀部を堪能するように撫で上げた。
滑らかな腰の曲線。
脇腹。
みぞおち。
掌が、乳房に行きつく。
「ひゃ···ん」
指先で先端を転がせば、星乃から甘声が放たれる。
乳房の谷間からは扇情的な香りが匂い立っていた。
実弥は、星乃の胸もとに顔を埋めて「なァ」と小さく呼びかけた。
「どうなんだよ、あれは」
「っ、あれっ、て?」
この状況で、"あれ"の一言だけではなにを指しているのかわからねェかと実弥は一度口を結んだ。
すぐに核心には触れず、ふう、と一呼吸おく。乳房の内側、先端と、ねっとり舌を這わせながら言葉を選び口を開いた。
「······胡蝶んとこで買ったっつう、洋装の」
「洋装、下着のこと···? 重宝、している、けど···っ、ゃん」
それがいったいどうしたのと返される前に、乳房の突起を甘噛みする。