第16章 :*・゚* くちびるにスミレ *・゚・。*:
直後、眼前に落ちた影にハッとした。
上肢を引かれ、胸もとを隠していたシャツが星乃の手からはらりと落ちる。
さきほどの行為ですでに乱れてしまった寝具の上に実弥が座ると、星乃はわけのわからない間に実弥の下肢の上へと導かれ、その場に跨がる形で深く腰を落ち着けた。
「···っン」
実弥が鎖骨にちぅ···と吸い付く。
仰け反りそうになった星乃の体躯を支える手はあたたかく、汗で少し冷えた背中の一部に暖が宿った。
「ひっくり返んなよォ······お前もこっちに手ェ回しとけェ」
行き場所がわからず彷徨っていた腕を、導かれるまま実弥の肩に巻き付ける。
実弥の手の動きに合わせて変幻自在に形を変える乳房。口内に含まれ熱を帯びてゆく頂。
空いたもう片方の頂を撫で回す指の巧みさに体躯が捻れ、蜜壺の奥がひっきりなしに疼く。
もじもじと、腰が前後に動いてしまう。
「さね、み···っ、ん」
「ココ、気持ちいいなァ···? 触れるとすぐに固くなっちまうもんなァ···?」
「や、ぁ、ん···っ」
乳房にかかる実弥の吐息も熱度を上げ荒くなってゆくのを感じた。
双丘を中央にぎゅっと寄せ、左右の頂を密着させると、実弥は双方いっぺんに桃色の突起を舌いっぱいで舐ぶり回した。
「ふぁ、ぁ」
鼻腔を撫でる色素の薄い髪の香りに眼前の景色が朦朧とする。
恥じらいはいつしか裏側へ追いやられ、まるでただの動物にでもなることに悦びを得る自分が着々と引き出される有り様にさえ眩暈を覚える。