第14章 :*・゚* 桃色時雨 *・゚・。*:
今日一番の、甘い甘い口づけが降る。
二人の熱も相まって、全身が溶けてなくなってしまいそうな感覚にさえ陥っている。
動くぞ、と耳もとで囁かれ、子宮の奥が悩ましい声で鳴いた。
「あ、ぁあ···っ、ン、ぁ」
緩やかにはじまった律動が、徐々に速度を増してゆく。
「···ッハ、」
体躯が前後するたび外耳を掠める実弥の唇が愛しい。濃霧のような吐息と声音に心髄が燃えてゆく。
「ふ、実弥···っ、どうし、よう」
「っ、ァ、?」
「わ、たし、実弥のことを大好きな気持ちが、どんどん大きく、なってくの······っ」
「ッ、だ···ッから、それ以上、口にすんじゃねえっ、つってンだろうがァ···ッ、じゃねェと、本気で貪り尽くすぞォ······ッ」
「ん、ぃいの、実弥がきもちいなら、それで、いい···っ」
「ぁ"あ"あ"、クッソ···ッ!!」
実弥は上体を直立させ膝をついた。
股開いた下肢の上で星乃の腰を鷲掴み、臀部をやや高くする。
「──ア、ッ!」
引き抜く寸前まで陰茎を退かせ、再び最奥まで挿入させると、星乃が高い声を発した。
律動に緩急をつけてゆく。浅い場所を小刻みに擦ったり、膣道を陰茎で押し広げてはまた引かせたり、あるいは強めに最奥を打ちつけてみたりする。
「やっ、さね、み、奥···っ、お腹、へん」
「ァ"ア"···っ、? きもちく、ねえか···っ」
「ん、っ、当た、るの、だめ」
「だめじゃ、なくて、嫌か、嫌じゃねぇか、言え」
「···っ、や、わか、な」
「わかんねぇ、っうことは、嫌じゃねん、だなァ」
「あ、ァ、ア」
刻々と撓しなりはじめる星乃の裸体は、障子紙を抜けるぼんやりとした陽光を弾いて肌の透明度を増していた。なまめかしく、それでいて妙に儚げで、星乃のすべてを取りこぼさないよう実弥は両手に力を込めた。