第14章 :*・゚* 桃色時雨 *・゚・。*:
艶 (あで) やかだと思う。
白く滑らかな肌が眩く、飽きることなく眺めていられそうでいて、この白肌が桃色に色づくくらい、熱で恥じらいがどろどろに溶けてしまうくらい、星乃を芯から昂らせてやりたいという思いが実弥の性 (さが) を滾 (たぎ) らせる。
秘所へと行き着いた指先が愛液の潤いを認めると、星乃の下肢が驚いたように仰け反った。
「···っ!?」
「──…オイオイ……こりゃァまたずいぶんと……ハ…、濡れそぼってんじゃあねぇかァ···」
「ひ、ァ、さねみ···っ、まっ···て」
この手は、毎夜刃を振り回しているそれと本当に同じものなのだろうか。
身体の変化に戸惑う頭の片隅で、星乃はぼんやりとそんなことを考えていた。
上下に行き来する指に荒々しさは微塵もなく、実弥のそれは表面を密やかに愛撫する程度のささやかなものなのに、まるでから未知の快感を誘い出すための謀 (はかりごと) のようである。
「待ってもなにも、まだ入口しか、触れてねぇ、っ、ぞ」
「ひ、ゃっ、!」
秘所の奥に挿入した中指の輪郭が、ヌプヌプという聞きなれない音とともに下肢の中央に刻まれてゆく。
「──ぁ、ん」
膣口から肛門へ繋がる会陰 (えいん) を愛液のついた指で撫でると、星乃の下肢は緩やかな波のような動きを二度三度繰り返した。
声の甘さ、身体の捩れかた、膣壁の絞め具合で最も好い場所に目星をつければ、秘所もまた愛液でよりたっぷりと潤う。
「はぁ、ン、ぁ」
「もう一本、足すからなァ······痛ぇようなら、我慢、すんなよォ」
星乃の経験は過去の一度きり。
十分に慣らさなければ痛みが伴うはずであることを考慮し、実弥は愛液で濡れた中指に薬指を重ね合わせた。