第2章 第二章 刃、鋭く玲瓏に
時は、戦国。
戦乱とは近くもあり遠くもある。刀鍛冶の集落の外れに、庵を構える人あり。
その体、鬼を惑わす類稀なる血を宿すもの。
面の奥に見える目は、数多の星空を写す、類稀なる美しさ。
その声、玲瓏にして、水面の如き澄んだ音。
その手は幾多の人を救い守る。日輪を宿す刃を鍛つ鬼才の持ち主。
なれどその者、刃を打つ資格あらず。
登場人物
芹(デフォルト名 芹)
刀鍛冶師の里の外れに住む人。幼い頃から鍛刀の才覚を見出され里長にして当代随一の鍛治師『鍛造』の一番弟子になる。
鍛造
里長にして当代随一の刀鍛冶。煩悩の塊。弟子の才覚を認めつつも、里の意向とで現在板挟み中。
産屋敷輝昭
元、鬼狩りの剣士。生来病弱なのと鬼狩りの際の負傷で前線を退き、現在、筆頭軍師。産屋敷家次期当主で、芹とは幼馴染。