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【鬼滅の刃】外伝 紫苑

第1章 第一章 鬼遣の弓姫


「鬼だと言ったらどうする??」
「鬼っていっても角がないのねー。あっ、髪の毛ウネウネ〜蛇さんみたい」
「おい、」
無遠慮に髪を掴む凪をジトリと睨めつける。自称鬼と称すもの。

「牙はあるの??」
「やめよ。外に放り出すぞ」口の中に手を突っ込まれそうになるのを阻止する。

「えへへ、・・・・・若君さま、お手手怪我してる?」
ふと若君の指先に赤いものが付いてるのに気づいて手を伸ばす。

ソレを煩わしげに、忌々しげに舌打ちして指先を隠す。

「怪我は放っておくといけないのよ。凪のお薬分けてあげる。よく怪我するからって尼君様たちが持たせてくれたの」
そう言って首にさげてた梛の葉と一緒につけられた掛守りを取り出して渡す。

「梛の葉・・・」
若君の目が古びた梛の葉を見ていた。
「いいでしょ?凪 の宝物よ。もう一つは若君様とあったときに失くしてしまって、今探してるの。あ、若君様はふじの花の髪飾り見てない?」

「知らん。失くしたものは二度と戻らぬ。サッサと帰れ」
「だからお外が真っ暗で見えないし怖いから帰れないんだってば。お外がもうちょっと明るくなってから帰るから、もう少しここに居させて。めいわくかけないから」

この状況、今まさに多大な迷惑を掛けていることを自覚してないらしい。

「 若君様は凄いのねー。今日はお月様が大きくないのにお外に出るなんて、凪 なんて暗くてよく見えないから何度も転んだのに、それに今日はとっても寒いし」

一人で話し出す子供が煩わしくなり部屋の奥へと向う若君。

それに気づかず話す凪 、少しずつ睡魔がやってきて呂律が少しずつ回らなくなり、やがて眠りに落ちる。

眠っている間、誰が優しく頭を撫でてくれた。

「起きてください。凪 姫、朝ですよ?」
目を開けると寺の宿直してる部屋にいた。一緒に泊まってる尼君の困ったような声を聞いて目を醒ました。

「今日は随分とお寝坊さんでしたわね?あらあら、まだお眠なのですか?」
夢?
「怖い夢をみてた気がするの。でも大丈夫。おはようございます尼君さま」
「はい、さぁ、早く身支度をして朝餉を貰いに行きましょう」
「はい。」
ほら、鬼なんかじゃない。だってこんなに優しいもの



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