第6章 勇者の剣
「おいおいマジかよ!!こんなんアリかよ!!」
「アリです!!!」
今、俺達は
「スピード上げっぞ!掴まれええ!!」
イワイズミさんが手綱を引く荷馬車で
「ぎゃあああああああ!!」
王都を駆け抜けていた。
貴族の住宅街を抜け、城下町を抜け、貧民街を抜け、王都を出た。
林を道なりに駆け抜けて、川辺で止まる。
「急げ!来てるぞ!」
「はい!ありがとうございました!」
「お前も気を付けろよ!」
荷馬車を転がるように降りる。
川は俺の腰まで水位が上昇してて、俺はイワイズミさんに担がれて川を渡る。
渡り切ると、イケジリさんの叫び声が聞こえた。
「死ぬんじゃ、ねぇええぞおおお!!!」
イワイズミさんが叫び返す。
「お互いになああああああ!!!」