第6章 勇者の剣
こうして、俺とアオネさんは旅に出た。
まずは王都。魔王の言ってた事に従いたくないけど、何をすればいいのかわからないから、取り敢えず行こう。
地図を広げて、方位磁針で方角を見る。
ここは森の中だから、道という道がない。ならば、定期的に方角を確認して、ゆっくり真っ直ぐ進むのが良いってアオネさんのお師匠さんが言ってたってアオネさんが言った。
鎧をガッシャガッシャ揺らして森を進む。
距離にして徒歩3日で着くそうだが……
「ねぇアオネさん」
俺は後ろを歩くアオネさんに話しかける。
「サワムラさんって、王都から烏野村に流されたって言ってたけど」
倒木を超えて、岩に足を掛ける。
「結構近くに流されたよね」
アオネさんは頷いた。
そう。近いのである。
本来、流刑になったら簡単に家に帰れない程遠くに流される事が多いし、どこかの離島が大半だ。
でも、サワムラさんは同じ大陸の、徒歩3日で着く小さな村だ。
「何だかんだ言って、王様って結構良い人かもね」
俺とアオネさんが岩を降りると、崖に出た。
「……どうしよう?」
下は激流の川が流れてる。落ちたら命はない。
「橋探そう!橋!」
俺とアオネさんは右に進んだ。左手に崖、右手を森にして進む。
どれくらい歩いたのだろうか。橋は見当たらない。
ふと方位磁針を確認すると、王都の方角からかなりズレてる。
幸先不安だ……。
それでも歩みを進めていくと、右手の森に道を見つけた。
俺たちの進行方向に伸びてる。
道があるという事は、村や町が近い事。
「アオネさん!これに沿っていけば、どこかに出れるかな?」
アオネさんは頷いた。
道に出て、沿って進んでいくと、遠くに荷馬車を見つけた。
俺たちは道を聞こうと駆け寄ると、その荷馬車は、魔物に襲われていた。