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【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第26章 翡翠の誘惑


……これは思った以上に手ごわいな。

レイは自身をまっすぐに見つめている琥珀色の瞳を眺めながら、心がぞくぞくと震えるのを感じる。

クソ真面目なんだか知らねぇが、このオレの申し出に全くなびかねぇなんてよ…。

まぁ、いい。

……なびくまで攻めるだけだ。

「……わかったよ。団長が許可を出したら、その軍服で来てくれ」

一旦レイは降参のポーズを取った。

「さぁ、行くぞ。馬車を呼んである」

そうしてマヤとペトラは控えの間を出て、エルヴィン、リヴァイ、オルオと合流して玄関から外へ出た。

筋骨隆々として手入れの行き届いた立派な白馬がひく四人乗りの馬車が二両来ていた。

バルネフェルト家の御者の案内で一両の馬車に、ペトラとオルオ、そしてエルヴィンが乗りこんでいく。

マヤも乗りこもうとしたとき、レイが声をかけてきた。

「マヤはこっち」

「え?」

戸惑っているあいだに、肩を押されてもう一両の馬車に押しこめられた。

レイも乗りこみ扉を閉めようとしたが、がしっとそれを阻止する手があった。

「俺も乗る」

「リヴァイ兵士長はあちらへどうぞ」

レイはやんわりとリヴァイが乗車するのを拒否したが、リヴァイは引き下がらなかった。

「悪ぃが大事な部下を、初対面の男と二人にする訳にはいかねぇ」

そう言いながら強引に乗りこみ、どかっとマヤの隣に座った。

「……へぇ…」

レイは機嫌の悪そうなリヴァイの顔を見ながらニヤリと笑い、御者に出せと命じた。

ゴトゴトゴトゴト… ゴトゴトゴトゴト…。

しばらく車内は無言だったが。

「リヴァイ兵士長」

レイがリヴァイに声をかけた。

「なんだ」

「オレとマヤは初対面じゃねぇ」

「……あ?」

途端にリヴァイの眉間の皺が深くなった。

「月明かりのテラスで語ったからな… 二人きりで」


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