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【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第25章 王都の舞踏会


「あの… 兵士様。お名前は…?」

オルオの鼻の下が伸びる。

「……オルオだけど」

「素敵なお名前ですわ! オルオ様! ぜひリヴァイ班でのご活躍をお伺いしたいわ!」

オルオの腕を取らんばかりにぐいぐいと迫ってくる紅ドレスの姉。

「お姉様ばかりずるいですわ! オルオ様、私の方もご覧になって!」

白ドレス妹もなかなか激しい。

紅白姉妹にはさまれて、オルオは顔を赤くしながら話し始めた。

「リヴァイ班ってのはリヴァイ兵長以下四人いて…」





少し時をさかのぼって。

「ペトラ?」

ぽーっと自身に身をゆだねているペトラに声をかけるカイン。

「大丈夫? 疲れてないかな?」

「あっ、はい」

……カインさんは本当に紳士ね…。

ペトラはますます、その腕の中でうっとりする。

「ねぇ、ペトラ。お願いがあるんだけど?」

「なんでしょう?」

「うん…。僕のママに会ってほしいんだな」

「えっ…?」

「僕のお姫様をママにちゃんと紹介したいんだ」

……お母様に…?

母親に紹介されるということが何を意味するのか… わからない年齢ではない。

カインが自身のことを真剣に想っている証だと、ペトラは嬉しくなった。

「いいかな?」

「……はい」

ペトラの返事を聞きながら、カインは壁際を見ている。

そこは誰もいない壁際。

今まで、マヤとオルオがいた壁際。

今は、誰もいない。

「承知してくれて嬉しいな! ペトラならそう言ってくれると思っていたよ。早速だけど、行こう!」

「えっ、あの、心の準備が…」

「大丈夫さ。ちょっとママに顔見せをするだけだから。ママ、驚くだろうな。僕のペトラがこんなに可愛いと知ったら! さぁ、行こうよ」

はしゃいでいるカインの様子を見ていると悪い気はしない。

「……わかりました。行きます」

「こっちさ」

ペトラの肩を抱いてカインは、先ほど父のグロブナー伯爵がアトラスを案内して消えた奥の小さな通用口へ素早く向かった。


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