• テキストサイズ

【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第25章 王都の舞踏会


「私だってキラキラしたいもん! 恋の真似事をしたっていいじゃない!」

ちょうどそのとき便所から戻ってきたオルオが、ソファに座っている二人を見つけてやってきた。

「ペトラ! やっとあのキザ野郎から解放されたのか」

「は? 何を言ってるんだか! カインさんは伯爵に呼ばれただけ。用事が終わったらまた踊ろうねって言ってるんだから」

「おいおい、もうやめとけって。充分に踊ってたじゃないか。これ以上は近づかない方がいいんじゃね?」

オルオはソファの前で腰に手を当てて立っている。

それを見上げて、ペトラはまくし立てた。

「何よ! オルオには関係ないでしょ! マヤもオルオも心配してくれてるんだろうけど、大きなお世話よ。カインさんはそりゃ、ちょっと言うことがキザかもしれないけど、すごくかっこいいし、優しいんだから!」

「けっ! あんなパパ野郎、変態に決まってるだろ。いい加減、目を覚ませよ」

「うるさいわね! 大体、オルオがシワシワなのが悪いんでしょ! もう、ほっといて!」

ペトラは握りしめていたおしぼりをマヤの手の中に押しこめた。

「マヤ、心配しなくていいからね」

そして立ち上がってオルオをキッと睨みつけると、カインの方へ行ってしまった。

「なんだ、あいつ!」

「オルオ…。見守ってあげようよ」

「いいのかよ」

「うん」

……ペトラ、カインさんの話をしてるとき、嬉しそうだった。

キラキラしてた。

ここは王都、貴族の屋敷。

エルヴィン団長だって言っていた。

「せっかく貴族の社交界に顔を出すんだ。純粋に非日常の世界を楽しんでほしいとも思っている」

……そうよ。ちゃんと気をつけていれさえすれば、ちょっとくらいはいいじゃない。

マヤはカインと合流して、とびきりの笑顔でいるペトラを見て、微笑んだ。

……そうね、ペトラ。恋の真似事をしたっていいじゃない… だね。


/ 1871ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp