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【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第25章 王都の舞踏会


それを聞いたジョニーとダニエルは、顔を見合わせて目で会話をする。

……ギータの野郎、ライバルが兵長で戦意喪失だぜ?

……仕方ないんじゃね? もし俺でもあきらめるわ…。

……まぁな? 兵長だもんな…。

……ここは同期として慰めてやろうぜ!

二人はうなずき合うと。

「そ、そうだよな。応援するしかねぇよな」

「俺もそれがいいと思うぜ?」

思いがけず優しい二人に、ギータの目は潤む。

「おいおい、泣くなよ。ほんっとお前、図体はでけぇのに情けねぇな!」

「泣いてないわ!」

「今度さ、三人で飲みにいこうぜ?」

ダニエルの提案にジョニーが乗り気になる。

「おっ、いいね! ギータ、ぱぁっと飲んで失恋なんか忘れろ!」

「だから失恋じゃねぇって!」

ギータは口を尖らせたが、同期二人の気遣いが嬉しい。

「でもお前ら、サンキュ」

「おっ、行く気になったか」

嬉しそうなジョニーにすかさずギータが冗談っぽく言う。

「もちろん “失恋して可哀想な” オレに、お前らがおごってくれるんだよな?」

「調子に乗んなよ。割り勘だよ!」

「なんだよ、ケチ!」

「ギータ、お前… すっかり元気じゃねぇか。お前がおごれや」

「……は?」

ギータ、ジョニー、ダニエルの第一分隊第一班の新兵三人組は、このあとタゾロに “何をさぼってるんだ” と雷を落とされるまで、仲良くじゃれ合いつづけた。





一方、ミケのところに足早に向かったマヤは。

「分隊長!」

「聞いただろうが、エルヴィンのところに行ってくれ」

「了解です」

敬礼をしてから、一目散に幹部棟へ向かう。

すぐにリヴァイが追いついてきた。

しばらくは互いに無言で団長室を目指して早歩きをしていたが。

「兵長…! あの…、今言うべきことではないかもしれませんが…」

「なんだ」

リヴァイのまとうピリピリとした空気にたじろぐが。

……伝えたいもん!

マヤはぐっとこぶしを握って思いきる。

「昨日は、ありがとうございました!」

「あぁ」

たったひとことだったが、リヴァイの放っている雰囲気がやわらかくなった。


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