第24章 恋バナ
「ハンジさん! ちょっと背が高いからって、兵長のことをチビチビ言いすぎです!」
ペトラが猛然と抗議する。
「だって実際チビなんだから」
「チビでも兵長はかっこいいんです! ね、マヤ?」
ペトラの方を向いて、こくこくとうなずきながらマヤも同意する。
「兵長は何をしていても… かっこいいです。それに背だって、別に低くないです」
「そりゃあね、マヤから見たらそうだろうけど」
「とにかく!」
ペトラがびしっと決めた。
「兵長とデートしたマヤおよびリヴァイ派代表の私の二人の前で、あんまりチビチビ連呼しないでください!」
「わかったよ」
ペトラのあまりの勢いに、ハンジは両方の手のひらを上に向けて肩をすくめた。
そして何ごともなかったかのように話を進めた。
「まぁ… そんな訳で、“荒馬と女” はリヴァイの行きつけの店になったんだ。食事の味もなかなかだし、マヤもひいきにしたらいいよ」
「はい。ハンジさんの言うとおり、ごはんがどれも美味しかったです」
「だろ? あそこは酒も美味いし、つまみもいけるし、会話も盛り上がるよね。どうだい? 初めてのデートディナー、盛大に乾杯したかい?」
「ええ、もちろん…」
マヤは今日一日、たくさんの新しい驚きや嬉しいことがいっぱいで頭がパンクしかけていた。そこへ “荒馬と女” での乾杯シーンを思い浮かべると、自身の誕生日を祝ってくれたリヴァイ兵長の切れ長の目と低い声がよみがえってきて、胸がドキドキとしてくる。
「どうしたんだい?」
ハンジだけではなくナナバやニファも。
「また顔が赤いけど」「のぼせてないよね?」
「……大丈夫です」
「あぁっ、わかった! 乾杯のときにリヴァイにキザな愛の言葉でもささやかれたんだろ!?」