第24章 恋バナ
……相変わらず可愛い顔して、結構はっきりと物を言うな、ニファは。
ナナバはストレッチをしながら、内心で苦笑いだ。
けれど…、よく考えたらニファだけではないな。私も、ハンジさんも、ペトラだってズバズバと言う方ではないだろうか。
調査兵団では逆に、マヤみたいなタイプの方がめずらしいのかもしれない。
「あぁ…。そのことですか」
ペトラは平然としている。隣にいる、少し困ったように眉を寄せて心配そうに自身を見つめているマヤに笑顔を見せた。
「兵長のことは好きですよ? なんてたって兵長派代表ですから。でもマヤは、もっと好き! 兵長がマヤとつきあうんだったら応援します」
そう言いきったペトラの瞳はまっすぐで、ハンジにもナナバにも、そしてニファにも嘘いつわりのない本心だと伝わった。
そして誰より、マヤに。
「……ペトラ…」
「やだマヤ、なに泣きそうになってんの!」
「だって…。私もペトラが大好きだよ」
手を取り合うマヤとペトラを見て、ニファはつぶやいた。
「そっか。小説だったらドロドロの愛憎劇になりそうだけど、ペトラとマヤはそんなの上回る友情があるんだね…」
「ちょっとうらやましいね、ニファ?」
「……ですね、ナナバさん。でも私だってもし、ナナバさんと好きな人がかぶったら、応援できますよ?」
「私は嫌だ。ニファから全力で奪いにいく」
「え~! そんな~!」
「あははは、冗談だよ」
「もう、ナナバさんったら!」
ペトラとマヤ、ナナバとニファのそれぞれの様子を微笑ましく観察していたハンジだったが、もう待てないとばかりに両手をパンパンと叩いた。
「さぁ、そろそろ本題に入ろうじゃないか! マヤ、リヴァイとのデートの話を聞かせてくれ」