第24章 恋バナ
「ペトラ!」
マヤが非難めいた声を出す。
だがペトラはマヤの声色なんて気にせず強く出る。
「もう、いい加減にデートだって認めなくちゃ駄目! おしゃれして髪も結って、待ち合わせして二人きりでヘルネに行って帰ってきたんでしょ?」
「……うん」
「それは立派なデートだから!」
「……わかった」
ペトラの剣幕に押されるマヤ。
「……ということでマヤはデート帰りですから、ハンジさん」
「了解」
ペトラの報告に親指を立てるハンジ。
「……ではマヤ、あらためて質問させてくれ。リヴァイとのデートはどうだった? どこへ行ったんだい?」
「……えっと…」
マヤが答えようとした矢先に邪魔が入る。ニファが我慢できずに口を挟んできた。
「いや、ちょっと待って? つきあってないとかお礼だとかデートだとか? 全然わかんないんだけど、そもそもマヤは兵長のこと好きだったの? そんなの初耳なんだけど!」
「あっ、それは…。自分でも最近気づいて…」
どう説明すれば良いかわからず困っているマヤのために、ペトラが助け舟を出す。
「ニファさん、聞いてください。ハンジさんもナナバさんも。私たちは新兵のときに、兵長のファンと団長のファンに分かれてキャーキャー騒いでいたんです」
「あぁ、わかるわかる。私が新兵のときもそうだったわ」
ニファがうなずく。
「でもマヤは全然興味がなくって…、ね?」
ペトラに話を振られるマヤ。
「うん。あんまりそういうの、ぴんと来なくて…」
「そんなマヤが、いつ頃からだろ…。ミケさんの執務を手伝い始めてからか…。兵長を意識し始めた感じになったんです。だから皆さんが知らなくて当然だと思います」