第24章 恋バナ
単なる女子同士の身長話かと思っていたら、いきなりリヴァイ兵長の名前が出てきて。
先ほどまで一緒にいたことが急に思い出されて、顔がのぼせる。
「あ~っ、マヤ、赤くなってる!」
ニファが叫んだ。
「やっぱり? やっぱり、そういうことなの?」
「やっぱりって…、何がですか? ニファさん」
「だから、マヤと兵長ってつきあってんの?」
「え? つきあってませんけど…?」
マヤは首を傾げた。
「あれ? でもさっき見たんだよね。兵長と帰ってくるとこ。ね? ハンジさん」
ニファが性急に事を運びすぎていると、ハンジは内心で思った。もう少しゆっくりとそれとなく訊いた方が、マヤには効果的だと。
だがもう、時は遅し。
はっきりと “つきあっているのか?” とダイレクトに訊いてしまっている。
今さら言葉を濁して曖昧にしたところで仕方があるまい。
ここは直球勝負だ。
「ニファの言うとおりなんだ、マヤ。我々は全員そろって、君とリヴァイが私服で外から帰ってくるところを目撃した。あれは察するに… デートの帰りだろ?」
「違います…!」
間髪をいれずに否定する。
その瞬間、ペトラはやれやれといった態度で目を閉じて首を横に振った。
「おや、違うのかい? だが出かけ先から私服でならんで帰ってきたという状況だけではない。リヴァイとならんで歩いている雰囲気が何かこう… 特別で、親しそうな様子だったが?」
“親しそうな様子” とハンジに言われて、ますますマヤは真っ赤になっていく。
……もう静観している場合ではないな。
これまでハンジとニファがマヤに質問しているのを横目で見ていたナナバだったが、参戦することにした。
「マヤ、恥ずかしがることはないよ。もし兵長とそういう関係ならば、私らは祝福するよ?」