第24章 恋バナ

「やっぱ本を読みすぎると、目が悪くなるんだ…」

「ナナバさん、視力いくつ？」

ナナバとニファが会話をしながら湯船に入る。

「2.0」

「うわ…、さすが筋トレばっかしてるだけありますね」

「まぁね。目には自信あるよ、動体視力もね。団長とミケさんを見間違えることなんて断じてないね」

「ですよね～」

二人は “ありえない” といった意味を目にこめて、ハンジを見つめた。

「そんな二人して変な目で見ないでよ。私だって、エルヴィンとリヴァイだったら裸眼でも見間違えないぞ！」

「……そりゃそうでしょ」

とナナバが冷淡な様子で言えば、ニファもあきれたように。

「団長と兵長じゃ身長差がありすぎですって…」

「あはは、そうだね。リヴァイだったらニファと見間違えるくらいか」

「ちょっとハンジさん、やめてくださいよ。私の方が兵長より身長ありますから！」

「えっ、そうなんですか？ ニファさんって何センチ？」

身体を洗い終わったペトラが湯船にやってきて訊く。

「165あるよ」

「へぇ、そうなんだ。確かに私も、兵長とニファさんって同じくらいのイメージでした」

どぼんとハンジの向かいに入るペトラ。

「だよね！ リヴァイが何センチかなんか知らないけど、もうニファと一緒でいい」

「だ～か～ら～！ 私の方がちょっとだけですけど高いんですって！」

顔を赤くしてリヴァイ兵長より自分の方が高いと主張するニファのことを、それまで黙って見ていたナナバが口をひらいた。

「ニファ…。それ、どんぐりだよ。ハンジさんや私から見れば」

「どんぐりの背比べって言いたいんですか。もう…！ ちょっと背が高いからって」

ペトラが口を挟む。

「ハンジさんとナナバさんは何センチ？」

「170」「172」

二人のそれぞれの答えに、ペトラは目を丸くする。

「うわ、高い！」