第24章 恋バナ
“リヴァイとのムフフ話” に、ニファが敏感に反応する。
「え? え? マヤと兵長ってつきあってんの? マジで?」
驚きのあまり、思いきりタメ口だ。
「つきあってはないんじゃないかな…?」
ハンジが余計なことを言う前にと、ナナバがすかさずニファに答えるが…。
「ニファ、その答えはYESだ!」
「ちょっとハンジさん!」
ナナバの怒声に、ハンジはきょとんとする。
「何をカリカリしているんだい? ナナバ」
「そっと見守るって言ってたでしょ!?」
「そのミッションはもう無効だ。当の本人たちが、堂々と人目をはばからず出かけているんだよ?」
「……それはそうだけど…」
確かにハンジさんの言うとおりかもしれない。
……もう “そっと見守る” という段階ではないのか。
ナナバがそう考えていると、モブリットも感慨深そうに声を出した。
「壁外調査であのとき…、兵長がマヤを特別に扱ってたけど…。そうか、マヤも兵長のこと…」
「いやいや、モブリットさん。まだつきあってると決まった訳ではないですから」
ナナバは慌ててフォローに入るが、ハンジに一蹴された。
「何を言ってるんだい、ナナバ。現実を的確に判断することが今の君には必要だね。よしっ! とにかく風呂に行こう。マヤから直接、話を聞けばすべて解決だ」
ハンジは目にもとまらぬ早業でクローゼットから着替えを取り出すと、扉に向かう。
「行くよ、ナナバ、ニファ! モブリット、留守番をたのんだよ」
「了解。掃除でもするか…」
「待ってください、ハンジさん! 部屋に戻って、お風呂の用意を取ってきます!」
退室したハンジを追って、ニファが叫びながら出ていく。