• テキストサイズ

【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第23章 17歳


「そうなんですね。本当に美味しかったです。ジャムでここまでスコーンを美味しいと思ったのは初めて!」

輝くマヤの笑顔を前に、リックも嬉しそうに頭を下げた。

「お気に召したようで何よりでございます。では私はこれで…」

丁重な態度のままリックが厨房に下がると、マヤはリヴァイに礼を述べた。

「ありがとうございます。兵長がリックさんを呼んでくれなかったら、ずっと謎が解けないままでした。ヤギミルクだなんて絶対思いつきもしなかったし」

「……だな。王都の酒場ではシェーブルチーズを出すところもあるが、このあたりではないしな」

「シェーブルチーズ…?」

「ヤギの乳でつくられたチーズだ」

「そんなのがあるんだ…。美味しいんですか?」

「ちょっとクセがあるが、酒のつまみにはなかなかいいんじゃねぇかな」

「なんか大人のチーズって感じですね」

“いつか食べてみたいなぁ” と内心で思いつつ、マヤはスコーンの残りと紅茶を美味しくいただいた。





「ごちそうさまでした」

カサブランカの白い扉から外へ出たマヤは、リヴァイに深々と頭を下げた。

「紅茶もスコーンも美味しかったです。飾られているティーカップを見るだけでも楽しいのに、好きなカップで紅茶を飲めるなんて…! 本当に素敵なお店でした。ありがとうございました」

「気に入ったなら良かった」

「それはもう…! また来たいです。紅茶も… オリジナルブレンド以外のものも飲んでみたいし、それに…」

マヤは白い壁の向こうに背すじを伸ばして立っているであろうリックを思い浮かべながら微笑んだ。

「リックさんにまた会いたいな」

「まさか気に入ったのは紅茶でなくて爺さんなんじゃねぇだろうな?」

「ふふ、そうかもしれませんよ?」

悪戯っぽく笑ったマヤを見て、リヴァイは内心で “おいおい、勘弁してくれ” と思った。


/ 1701ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp