第19章 復帰
立体機動装置を倉庫に片づけたのちに、食堂へ。
トレイを持ったマヤは席を見渡そうにも、ミケとタゾロの背中で何も見えない。
「……あそこでいいか?」「はい」
そう言葉を交わした二人についていくとそこは、第三分隊第四班所属の衛生兵であるユージーンが座っている席の隣だった。
「お疲れ様です」
ミケ分隊長の姿に気づいたユージーンは即座に挨拶をした。
「お疲れ。ここ、いいか?」
「もちろんです、どうぞ」
ユージーンの隣にミケが座り、その真向かいにマヤ、マヤの横にタゾロが席に着いた。
「ユージーンさん、壁外調査ではお世話になりありがとうございました」
早速、マヤが礼を述べるとユージーンは嬉しそうに微笑んだ。
「良かった…! 元気になったんだね。もりもり食べて、もっと元気になれよ」
「はい、そうしますね。いただきます!」
マヤもユージーンに微笑むと、両手を合わせた。
しばらくの間、マヤたち三人は黙って食事に集中していた。
「……ミケ分隊長、お先に失礼します」
食事を終えたユージーンがそう挨拶をして立ち上がった。そしてタゾロとマヤにも “お先に” と声をかけてから綺麗に空になった食器を乗せたトレイを返しにカウンターへ向かう。
そのユージーンと入れ違いにやってきたのは…。
「ミケ! 隣いいかい? いいよね!」
勝手に質問して勝手に答えて勝手にミケの隣に座ったのは、ハンジだった。その後ろからモブリットが静かに歩いてきていて、そっと隣に腰をかける。
「マヤ!」
ハンジは早速、斜め向かいのマヤに気づいて大声を出した。
「復帰したんだね!?」
「はい、おかげさまで元気になりました。ありがとうございます」
「そうかそうか! 良かった! いや~ めでたいねぇ!」
大喜びのハンジの隣に座っているモブリットも、優しい笑顔をマヤに向けた。
「マヤ、復帰おめでとう」