第19章 復帰
倉庫の棚からそれぞれの立体機動装置を取り出す。
「あれ? 分隊長とタゾロさんのは、もうないっすね」
ダニエルが気づいた。
「ほんとね。タゾロさんって確か、毎日自主練で朝に走ってるって言ってたから、もう取りに来たんじゃないかな?」
マヤの発言にギータが反応した。
「え! 知らなかったな。朝の自主練なんてすごいっすね!」
「うん、まぁ そうだね。でも結構みんな、やってるわよ?」
ジョニーが訊いてくる。
「マヤさんも走ってるんですか?」
「私は毎朝じゃないけど、飛んでる。走るのは苦手なの」
「へぇ、だからマヤさんは飛ぶのがめちゃくちゃ速いのか…」
そうつぶやくギータの横に立つダニエルも興味津々の様子だ。
「マヤさん一人で飛んでるっすか?」
「たまに一人のときもあるけど、大体はオルオと飛んでる」
「リヴァイ班の?」
「そうよ、オルオってひとりしかいないじゃない」
そう言って笑うマヤにギータは尊敬のまなざしを向ける。
「マヤさんってリヴァイ班のペトラさんとも仲いいし、すごいっすよね!」
その言葉を受けてジョニーも。
「助けてたのも兵長だし、マヤさんってリヴァイ班とのつながり、めっちゃ深いですね!?」
「いや、全然そんなんじゃないよ? ペトラとオルオはリヴァイ班に入る前からの仲のいい同期ってだけだし、このあいだ兵長が助けてくれたのは、たまたま駆けつけてくれたからだし?」
「それでもやっぱ、すごいっすよ。オレ… リヴァイ班の人たちなんか、かっこ良すぎて近くに来ただけで緊張する…」
とギータが言えば、ジョニーもうなずいた。
「それ、わかる! かっけーよな! 俺もいつか入りたいわ」