• テキストサイズ

【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第19章 復帰


「あの…、兵長…」

「なんだ」

………!

あらためて感謝の気持ちを伝えようと声をかけたならば、視線が絡んだ。その瞬間にすでに高鳴っていた胸は、もっと極みの果てまで跳ね上がった。

ただ目が合っただけなのに、心臓はどきどきと音を立てているし、顔も熱い。きっと赤くなっているに違いない。

……私、お礼を言いたいから会いたいと思っていたけれど。違った…。ただこの人に、リヴァイ兵長に、逢いたかったんだ。すごく。

逢って顔を見たかった。声を聞きたかった。

ただ、それだけのことだったんだ。

自分の気持ちを自覚すると、こうやって目の前で立っていることすら恥ずかしい。

マヤは頬を紅く染めたまま、なかなか次の言葉を言えずにいた。





………?

マヤが “兵長” と呼びかけてきてから、黙ってしまった。

絡み合った視線の先には、顔を赤くして立っているマヤ。その瞳はうるうると濡れている。

何かを言いかけて半開きになっているくちびるは艶やかで。

……あぁ、あの夜… あのくちびるをこじ開けて…。

眠っているマヤの口に指を突っこんだときのぬるぬるとした感触が生々しくよみがえる。

「……んっ、ふぅ…」

苦しそうなマヤの声。指先と絡み合ったマヤの熱い舌。

ドクン… ドクン…。

心臓は激しく打ち、全身の血が沸き立つ。

……執務室で一体何を考えているんだ、俺は。

そう自嘲しながらも、マヤのくちびるから目を離せないでいるし肉体が熱い。

一刻も早くこの馬鹿げた状況を打開すべく、ことさらに興味のなさそうで、かつ冷ややかな声を出した。

「どうした? 用があるなら早く言え」

そうして自らの熱気を逸らすためにも脚を組んだ。


/ 1701ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp