第18章 お見舞い
「そりゃそうさ! ニファ、君はれっきとした我が第二分隊の一員なんだからね!」
そう叫んでから、マヤの顔をじっと見つめて残念そうに首を振った。
「マヤもリヴァイの顔真似シスターズに加えてあげたいけど…、所属分隊が違うからねぇ…」
「い、いえ…、私は遠慮しとき…」
マヤは最後まで言わせてもらえず、ハンジのさらなる恐ろしい提案を聞かされた。
「あ! でも捕獲班の一員でもあるから、マヤと一緒に顔芸するってのもありかも!」
「え!」
青ざめるマヤを気にすることなく、嬉々として話しつづける。
「どう思う? ナナバ。マヤも一緒にリヴァイの顔真似シスターズ・カルテットってのは!?」
「面白そうだけど、ミケ分隊長が許さないんじゃないかな…」
あごに手を置きながらナナバがつぶやく。その横でニファが必死で訴えた。
「ハンジさん! 私、嫌ですよ! 兵長の顔真似だなんて。殺されます!」
「うん? 誰に?」
「兵長に決まってるじゃないですか!」
憤慨しているニファをハンジは全然相手にしない。
「そんなの大丈夫だって! ……で、マヤ、ナナバの言うとおり頭のかたいミケは反対しそうだけどさ、そこはやったもの勝ちだし、どうだい? 一緒にやってみないか?」
「……私には無理です、すみません…」
申し訳なさそうに謝るマヤ。
「そうか、それは残念だけど仕方ないね。では、マヤはしっかり我々リヴァイの顔真似シスターズ・トリオの顔芸を見てくれるかい?」
「はい! それはもう、ばっちり楽しませてもらいますね」
意外とあっさりとハンジからの、リヴァイの顔真似シスターズへの勧誘が終わったので安堵の笑みがほっと浮かぶ。
だがニファは違った。
「ハンジさん! 私も無理です!」
「いや、君が一緒にやるのは決定事項だ」
ハンジの眼鏡がきらりと光る。
「や~だ~!」
ニファの絶叫が医務室にこだました。