第17章 壁外調査
……なんですって? ここが兵長のお部屋?
どういうこと? なんで私が兵長のお部屋で寝ているの?
でも…、言われてみれば宿営で一般兵士にあてがわれる部屋にしては広いし、ベッドは一つで個室だ…。
病床だとしても、このような個室扱いはおかしい。
「どうして兵長のお部屋に…?」
「巨人の腕ごと落下したお前は意識がなかった。本部まで運んだが気付け薬も効かず昏睡状態のままだ。取り急ぎ静かな部屋で安静にさせる必要があったから、本部の上にあるここに運んだ」
「そうだったんですね…。ご迷惑をおかけしました…」
……きっとリヴァイ兵長やハンジさん以外にもたくさんの人に迷惑をかけたんだわ…。
しゅんと謝るマヤに、リヴァイは声をかける。
「迷惑なんかじゃねぇ。俺たち兵士は互いに、持ちつ持たれつの関係だろ。いちいち謝るな」
「はい…」
「……いいからもう寝ろ」
「………」
よく考えたら、全くもって何も解決していない。兵長に見られながら眠らないといけないこと。
寝ているところを見せるなんて…、考えられない…!
もう失礼だとか言っている場合じゃない。
「兵長!」
「なんだ」
「兵長に見られていると眠れません… ので…」
「……あ?」
不可解そうに眉間に皺が寄る。
「何か問題でも?」
「寝顔なんて… お見せできません!」
「何故」
……何故って… 恥ずかしいからに決まってるじゃないですかぁ!
マヤが内心で叫んでいると。
「何を気にしているか知らんが問題ない。もう何時間もお前の寝顔は見てきたからな…」
………!
そうだった…。
でも、昏睡状態で不可避だったときと今は違います…!
マヤがそう言おうと口をひらきかけたとき。
「わかったなら早く寝ろ」