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【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第17章 壁外調査


エルヴィンが考案したこの長距離索敵陣形は、壁外調査における調査兵の生存率を飛躍的に向上させた。

……本当に、団長のこの長距離索敵陣形はシンプルで効果的だわ…。

二年目のマヤだが壁外調査を複数回経験してきた結果、もっとも重要なのは戦わずに逃げることだと思い知らされている。

疾走しながらも巨人と遭遇したならば、ただちにその姿を大きなひとつの生物のように変えながら逃げおおせるこの陣形に。マヤがあらためて感服しているとミケ分隊長が隣にならんだ。

「調子はどうだ?」

「良好です!」

フッと優しく鼻を鳴らすと、ミケは後ろを走るギータや他の兵に声をかけにいった。

街での出陣前の待機では団長、兵長、リヴァイ班、分隊長、副官が一堂に会する配置になっているが、壁外に出たのち長距離索敵陣形を展開すれば、それぞれの班の位置に戻る。

ミケ第一分隊長、ハンジ第二分隊長、ラドクリフ第三分隊長は各分隊下の第一班の班長も兼任している。そして各第一班はそれぞれにミケ班、ハンジ班、ラドクリフ班と呼ばれている。

よってマヤの所属する第一班の班長でもあるミケは、緊急事態でない限りはいつも並走していた。

今日の第一分隊第一班、通称 “ミケ班” の配置場所は、三列四・伝達だ。

今のところ、巨人の接近もなく目的の兵站拠点に向かって順調に行軍している。

見上げれば空は快晴で、雲ひとつない。

見渡す限り、何もない。

……鳥たちが… いない…。

マヤがぼんやりとそう思った直後、ドォォォォォ!

信煙弾が青空を切り裂く音が響いた。

「赤の信煙弾か…。マヤ、お前が撃て!」

「はい!」

ミケの命令により、マヤは赤色の信煙弾を上空に発射した。

カチャ! パン! ドォォォォォ!


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