• テキストサイズ

【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第16章 前夜は月夜の図書室で


結論は出た。

「大事な部下のひとりだからだ」

顔色も声色も… 何ひとつ変えることなくリヴァイは視線を外し、握っていた両手も離した。

「あ…」

マヤはひと声漏らすと、耳まで真っ赤になりうつむいた。

……どうしよう…!

なんて馬鹿なことを訊いてしまったんだろう。

どうして私を守ってくれるの? だなんて。

答えなんか聞かなくても… わかりきっていたはず。

兵士長が部下を守ろうとするのは当たり前じゃない。

あのとき…、二日酔いの私を部屋に送ってくれたときに “お前は隙だらけだ” と怒られたのも、兵士長として部下を心配していただけ。さっきのザックをたしなめたように風紀の乱れを律しただけ。

それを、まるでそこに… マリウスのように… 何か特別な意味があるように思うなんて。

……期待するなんて。

違うの。ただ知りたかっただけなの。

マリウスの想いに気づけなかったから。知らなかったから。“守るから” の言葉の裏に隠されていた想いを。

もし兵長の “守る” にも想いみたいなものがあるのならば、特別な意味があるのならば…、今度は気づきたいから。知らなかったで済ませたくないから…。

でも、相手はリヴァイ兵長なのよ?

幼馴染みでずっと一緒にいて同期だったマリウスとは違うのに。

同じ意味で “守る” なんて言う訳ないじゃない。

本当に馬鹿だ、私。

……恥ずかしい…。

「……変なこと訊いて… すみませんでした」

「いや、別に」

抑揚のないその声が、マヤの心を落ち着かなくする。

……どうしよう…。兵長、怒ってる?


/ 1700ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp