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【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第16章 前夜は月夜の図書室で


「実際、秘めた想いとやらを打ち明ける風習みてぇなもんがある訳だし、別にそれが悪いとは言わねぇが…」

俺はザックの足もとに転がっている金色の立方体をすっと拾い上げた。

「……何か行為に及ぶのは双方の合意に基づいている場合だけだと俺は思うんだが… ザックよ、お前はどう思う?」

「ぼ、ぼ、僕も…、そ、そう思います!」

「……ほぅ?」

手の中のペーパーウェイトを、お手玉のようにぽんぽんと真上に軽く投げては受け止めた。

「さっきのは双方の合意だったと?」

顔からだらだらと汗を垂らしてザックは黙っている。

「俺には…、無理やり抱こうとしてたように見えたが?」

「い、いえ…! け、決して無理やりでは! それに抱くといっても深い意味はなく、ハ、ハグであります」

マヤの方をうかがうと、今頃になって怖くなってきたのだろうか、下を向いて小さく震えている。

……クソッ!

もてあそんでいたペーパーウェイトをザックの顔に投げるふりをする。

「ひぃぃぃっ!」

「下心はなかったと言うんだな?」

「す、すみませんでした!」

顔面蒼白で謝罪するザック。

「お前が謝る相手は俺じゃない」

冷ややかに告げると、おどおどしながらザックはマヤに頭を下げた。

「マヤ…、わ、悪かったよ…」

マヤは下を向いたまま、こくんとうなずいた。

「さてザック・グレゴリー、お前の処分だが…」

そこまでリヴァイが言ったところで、今まで黙って震えていたマヤが口をひらいた。

「あの…、兵長…。許してもらえませんか…?」

咎めるようなリヴァイの視線を受け止めながらつづける。

「私も悪かった… ので…」


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