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【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第15章 壁外調査までのいろいろ


壁外調査まで残すは三日。

幹部棟二階の会議室に顔を揃えているのは、団長、兵長、各分隊長。壁外調査の最終確認が議題のメインであるこの集まりは、そろそろ終わりを迎えていた。

「……では最後になったが、このたびの壁外調査では諸君も承知のようにグロブナー家の多額の寄付によって実現した。おかげで資金面で余裕のある今回は、久々の巨人捕獲班の編成を可能としている」

そこで話を一度切ると、エルヴィンは出席している顔ぶれを見渡した。満面の笑みをたたえているハンジ以外は皆、いつもどおりだ。無表情で、退屈そうで、眠そうで。

「捕獲は帰路において対象巨人、すなわち7m級までの巨人に遭遇した場合のみ実行される。巨人は…」

「え~! 10m級まで許可してくれてかまわないんだけどな!」

エルヴィンを遮り、ハンジが叫んだが一蹴された。

「これでも最大に譲歩しているんだ、ハンジ。4m級に下げようか?」

「……7m級だね。了解」

口を尖らせながらも了承したハンジに満足そうにうなずくと、エルヴィンはつづける。

「対象巨人は単独行動のものが望ましいが、複数で出現した場合は二体まで。それ以上は捕獲を試みようとはしないこと。迷わず逃げるか倒せ。捕獲班は対象巨人の出現時のみ臨時で編成される。これまでは、捕獲班のメンバーはそのまま全員ハンジ班だったので特に問題はなかったが、今回はミケ班から二名編入する。よって帰路の長距離索敵陣形はミケ班とハンジ班を隣接させる」

「……ミケ班から二名? 知らされてねぇが?」

不審そうなリヴァイの声に、エルヴィンは内心ほくそ笑んだ。

会議冒頭から無関心な態度を貫いていたリヴァイだったが、ミケ班から二名という言葉が出た途端に全身の筋肉が一瞬ではあるが張り詰めたからだ。


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