第15章 壁外調査までのいろいろ
明くる朝マヤがぱっちりと大きな瞳をひらくと、見慣れた天井が迎えてくれた。
そのまま起き上がり、軽く頭を振ってみる。どこも痛みはなく、怠さもない。
……昨日、ナナバさんと別れたあとすぐに寝たのが良かったのかな? すごくすっきりしてる。
爽快な気分で着替えると、顔を洗いに洗面所へ向かった。
冷水でさっぱりとしたあとは、食堂に向かう。カウンターで朝食を取り、さてどこに座ろうかとあたりを見渡すと、ハンジとモブリットを見つけた。
「おはようございます、ハンジさん、モブリットさん。ここいいですか?」
「おはよ~! うん、いいよ!」
ハンジの隣に座るマヤに、モブリットも声をかける。
「おはよう、もう大丈夫なのか?」
「はい、昨日はすみませんでした。もう大丈夫です」
頭を下げるマヤを、ハンジが豪快に笑い飛ばした。
「そんな謝らなくていいから! マヤの熱~い想いはエルヴィンにしっかり届けてあるからね!」
「え? なんのことですか?」
目をまん丸くするマヤ。
「やだよ、忘れたのかい? ほら、マヤも巨人を是非この手で生け捕りにしたいという尊い情熱の話だよ!」
「……あぁ…、はい…」
交換条件を思い出し肩を落とすマヤに、優しくモブリットは声をかける。
「生け捕り班には俺も入るから、一緒に頑張ろう」
「はい」
「いや~! わくわくするね! マヤも一緒だなんて、なんだか今度の作戦は絶対うまくいく気がするよ!」
ハンジの興奮は止まらない。
「選り好みしてる場合じゃないのはわかってるんだけどね、でもさ! マヤはどう? どんな子が好み?」