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【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第15章 壁外調査までのいろいろ


思わず叫ぶマヤをマーゴは笑い飛ばした。

「なんだい、知らなかったのかい?」

「……はい」

マヤの頭の中は今、大混乱におちいっていた。

……ジムさんがマーゴさんの甥っ子? マーゴさんがジムさんのおばさん?

「あたしの紹介で、あの子はここで働くようになったんだよ」

「そうだったんですか」

驚いているマヤの様子を楽しそうに眺めながら、マーゴは再度同じことを訊いた。

「で…、うちのジム、どう思う?」

「どうって… ジムさんの作るお料理は美味しいです」

「そりゃそうさ! あたしが見込んだ腕だからね」

「はい。年忘れの宴会で出た蒸し鶏のサラダは絶品でした!」

笑顔のマヤに、マーゴは嬉しそうに目を細めた。

「あれはスタントン家秘伝のたれなんだよ!」

マヤはマーゴの苗字がスタントンだと、このとき初めて知った。

「料理の腕以外ではどうだい?」

「………」

マヤは答えに詰まってしまった。

愛想が悪くていつも怒っているみたいで、おまけに怒鳴りつけられたことがあるから苦手だとは言えない。

うつむいてしまったマヤを見て、マーゴは笑う。

「遠慮しなくていいんだよ! あの子は不器用であんなだから人好きのするタイプではないしね」

「はぁ…」

「愛想も悪いし、態度もでかいしね」

「ええ… まぁ…」

「でも、あんたのことが好きなんだよ」

「ええ… まぁ… えっ!?」

曖昧な返事をつづけていたマヤは、マーゴの放った爆弾発言に “えっ” と言ったきり、あんぐり口を開けたまま固まってしまった。

「あっはっは、そんな顔するんじゃないよ!」

豪快なマーゴの笑い声に、マヤは我に返った。

「あっ、あの… それ… マーゴさんの思い違いだと思います」

「なんで」

「なんでって…。ジムさんはどちらかというと、私のことは嫌いだと思いますよ?」

納得がいかない顔をしているマーゴに、マヤは今日のような遅めの夕食を頼んだときに怒鳴られたことを説明した。

聞くなりマーゴは腹を抱えて笑い始めた。

「あっはっは! ほらごらん! やっぱりマヤのことが好きなんだよ」

「マーゴさん、私の話聞いてました? ジムさんはそれはもう怖い顔で怒ってたんですよ?」


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